争族とは|事例・実例、原因とその対策|新聞記事
「争族(そうぞく)」という言葉があるそうです。遺産相続の「相続」の部分を、争う遺族という意味で、争族と呼ぶのだそうです。なかなか上手い当て字ですが、身に覚えのある私は、争族の文字を読んで笑えませんでした。
もくじ
争族とは
親が亡くなった時に、預貯金や株式、土地や建物、自動車などの遺産をどう配分するか。これはとても難しい問題です。遺言があればその遺言に従って配分となりますが、遺言がない場合は、法律で定められた配分が行われます。
遺言や法律に従って粛々と進める分には、そうそうモメそうに思いません。そもそも遺産の金額が少なければ、モメる以前に「アタシはいいからアンタが全部持って行きなさいよ」となりますよね。
ところが、遺産の金額が100万円前後のように、桁が小さい場合が一番もめて、「争族」となるのだそうです。
争族の事例
私の親戚筋に、実際に「争族」がありましたので、事例をご紹介します。
私のいとこは三姉妹。ご両親のうちお父様は既に他界され、お母様が一人で暮らしています。
長女がお母様の近くに住み、次女は他県、三女は県内の離れた所に住んでいます。
やがてお母様が痴ほう症を発症し、要介護となってしまいました。
長女は毎日のようにお母様の所に通っては、介護士との助けを借りて、介護をしていました。
次女は他県のためなかなか来れず、三女は県内ですがあまり顔を出しません。
やがてお母様も他界し、遺産相続という時に、三姉妹が「争族」となってしまったのです。
次女は他県に住んでおり、あまりお母様の介護には参加できなかったこともあり「遺産は二人で分けて下さい」と言い、早々と争族から身を引きました。
気の強い長女と、これまた気の強い三女が、遺産を巡って争いを始めたのです。
お母様の貯金は介護費用でほぼなくなり、残っていたのは家と土地だけでした。
争族の原因
三女が「なんで貯金がないのよ!」と詰め寄ると、「介護にこれだけかかったんだから仕方ないでしょ!」と長女が応戦。
「家はどうするのよ!」
「あたしがリフォームして住むわよ!」
「お姉ちゃんだけズルい!だったら現金で寄こしなさい!」
「あたしは最後まで介護したんだ!だからあたしが家と土地をもらう権利がある!お母さんが倒れてから、アンタはお見舞いすら来なかったでしょ!」
それまで仲の良かった姉妹は泥沼の争いに突入してしまいました。
争族。それは「認めて欲しい」という気持ちと「意地の張り合い」が原因なのでしょうね。
争族対策
争族の対策としてはやはり、親が認知症を発症する前に、生前贈与や遺言、家族信託を上手に組み合わせて、争族とならないようにしておいた方が良さそうです。
争族対策、争族回避のため、一度司法書士の先生の相談してみては如何でしょうか?日本でも数少ない「家族信託」の専門家が、悩みに答えてくれます。